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【四軒寺】吉祥寺駅前の小江戸「寺町」を巡ろう!

吉祥寺駅前に「寺町」があるのをご存知でしょうか?

吉祥寺通りと女子大通りがクロスする交差点の名は、ズバリ、四軒寺。

4軒の寺が界隈に集結していることから生まれた通称名。

そしてその「寺町」が、吉祥寺誕生の歴史を秘めてもいるのです。

人気の街、吉祥寺の寺巡りへ出発!

駅近くの寺とは思えない雰囲気満点の光専寺
駅近くの寺とは思えない雰囲気満点の光専寺

江戸時代の大火で吉祥寺村が誕生した時に寺町も生まれた!

吉祥寺は、明暦の大火(通称「振袖大火」)と吉祥寺大火で、焼け出された吉祥寺門前町が、4代将軍・徳川家綱(在職1651年〜1680年)の命により、神田上水(神田川)源流・井の頭北の地に集団移住したことが発祥と、以前、お話しました。

江戸の昔、水道橋(東京都文京区本郷1丁目)あたりにあった名刹・吉祥寺。その門前町の氏神様である八幡社もここ武蔵野に移転して、武蔵野八幡宮として鎮座します。

時を同じくして、檀家の関係もあって、焼き出された寺も吉祥寺に移転し、さらに移転先で新たな寺が創建されます。
それが吉祥寺駅前の一画に集中する安養寺、光専寺、蓮乗寺、月窓寺の通称「四軒寺」です。

寛永元年(1624)創建の安養寺は、真言宗。
やはり江戸時代初期の創建で、京・知恩院の末寺、光専寺は浄土宗。
蓮乗寺は、集団移転直後の寛文2年(1662)頃の創建で日蓮宗の寺。
月窓寺は、万治2年(1659)開山で、曹洞宗の寺。

つまり、四軒寺と総称される4つの寺は、吉祥寺村誕生とともに、旧吉祥寺門前から移転もしくは吉祥寺開村にあたって創建されたのです。

四軒寺のなかでは唯一、吉祥寺通りに面して建つ佛種山得乗院蓮乗寺
四軒寺のなかでは唯一、吉祥寺通りに面して建つ佛種山得乗院蓮乗寺
蓮乗寺本堂の向拝には見事な鳳凰の懸魚彫刻が!
蓮乗寺本堂の向拝には見事な鳳凰の懸魚彫刻が!

寺町の誕生にはパターンがある!?

実は、全国各地を取材すると「寺町」の形成にはパターンがあることに気が付きます。
ひとつは城下町の「寺町」。城下町には必ず寺町がありますが、それは防御を意識して都市計画的に寺が集められたもの。藩主・城主の菩提寺は立派な石垣をもって、いざというときに妻子が立てこもる「最後の砦」とも考えられていました。

もうひとつが、大火災、もしくは大地震による集団疎開。
東京周辺の寺町はこのケースが一般的です。
たとえば吉祥寺と同じ中央線沿線の杉並区高円寺南の「寺町」は、関東大震災後の集団移転。

江戸・東京の町は、火災や地震のたびに周辺に衛星村(都市)、衛星寺町を誕生させたのです。
さらに加えれば、優秀な職人、たとえば江戸の大火では鋳物職人や植木職人、大正の関東大震災ではそば打ちの名人が各地に移り住み地域文化を育んだのです。

吉祥寺の四軒寺を回ってみると、たとえば安養寺には鐘楼に見事な鐘が下がっています。
この鐘、武蔵野市の文化財に指定されているのですが、安永2年(1773年)の鋳造。
江戸時代中期にはこの地に、立派な鋳物職人が育っていたことがわかります。

武蔵野八幡宮に寄り添って建つ安養寺。梵鐘は、吉祥寺村、小美濃源助の奉納。鋳造は境村の高橋甚右衛門(鋳物師・七之丞)。武蔵野市に現存する唯一の江戸時代鋳造の梵鐘です
武蔵野八幡宮に寄り添って建つ安養寺。梵鐘は、吉祥寺村、小美濃源助の奉納。鋳造は境村の高橋甚右衛門(鋳物師・七之丞)。武蔵野市に現存する唯一の江戸時代鋳造の梵鐘です

実は吉祥寺駅前は月窓寺の土地!

大火と地震は、こうして住み慣れた地を離れたパイオニアたちを生み出し、そのパイオニアの力で生まれたのが吉祥寺です。
時間が許せば、先人たちに敬意を表して、四軒寺を巡礼してみてください。
散歩がてら30分もあれば十分、巡拝が可能です。

もうひとつ、重要な話題が。
実は、吉祥寺駅前のサンロードやハモニカ横丁一帯の土地は、いまだ月窓寺の寺地。
ハモニカ横丁の商店主も、月窓寺の土地を借りて営業しているのです。
当然、寺としては借地人を見極めるでしょうから、「吉祥寺駅前は安心できる店が多い」というメリットにつながります。
というわけで、「月窓寺、日本の宗教法人の納税番付のトップクラス」ーこの話、詳しくは別の機会に・・・。

サンロードに面して門を構える月窓寺。実は駅前の大地主!
サンロードに面して門を構える月窓寺。実は駅前の大地主!

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一般社団法人プレスマンユニオン 理事酒井 正人
『マップルマガジン』やガイドブックのシリーズを立ち上げたり、2005年開催の『愛・地球博』の公式ガイドブックを制作。カーナビや宿泊サイトにも旅行情報を配信。
現在、一般社団法人プレスマンユニオン(http://pressman-union.com/)理事。ニッポン旅マガジンプロデューサー。

 

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